学生街の雰囲気の中、本格派のコーヒーをどうぞ!
こんにちは、シドニーナビです。マンリーからシティに向かうバスに乗っているとモスマンで必ず目につく「アワード受賞の美味しいコーヒーのカフェ」のサイン。何年も前から目に入ってはいたのだけれど、なぜか足が向く事なく今年も8月を迎えてしまいました。あっと言う間に今年(2009年)も後半戦。このままだと年末の今年のやり残したリストに載ってしまうぅ〜。ちょうどいい機会だからここらで意を決して行ってみようじゃないか! 今年のやり残しリストは空にしてみせるわよー!と気合いを入れてスピット・ジャンクションでバスを降りてイザ出陣!
バス停から1分足らず、映画館隣の好立地!
バスを降りたら信号を渡るがモスマンのメイン商店街であるミリタリーロードには行かず、そのままスピットロードを左折(マンリー方面にお店を右手に見ながら進みます。)4.5軒ほど進むと右に折れる角があるので、素直に右折。角から2軒目に今回の目的地、「ドン・アダン・コーヒー・ハウス」があります。
お店の前に立って、どうしてナビが今まで来なかったのかちょっと分かった気がしました。小さなお店なのですが、それ故「常連さん以外お断り」だったら居心地が悪いなと及び腰になっていたんです。しかし、気付いたところでお店はもう目の前。悩む前にまずは入ってみちゃいましょう。「座りが悪かったらコーヒーをテイクアウェイにして今回の取材は終了にしちゃえば良いのよ!」と自分を励ましいざ入店!
メニューと共に店内を見渡すと、壁にはアーティストの作品が多数飾られているだけでなくなんと天井にまで隙間なくペイントが施されています。キャンバスを天井に付けているのではなく“直描き”なので、作者はさぞかし首が疲れたことでしょう。壁の絵は定期的に変えられるとのことでしたが、天井の絵やお店の雰囲気ともしっかりマッチ。気に入った絵があれば購入もできるそうです。
ドン・アダン・コーヒーのスゴいところ
スタッフはフレンドリーだけれど、コーヒー作りに対する姿勢は非常にまじめ。先祖代々7世代に渡ってコーヒービジネスを手がける筋金入りのコーヒーのエキスパートなのです。140年の長きに渡ってホンデュラスの南西部、マーカラにある独自のプランテーションより豆を輸入。100%SHG(ストリクリー・ハイ・グロウイング)と呼ばれる個性の強いアラビカ豆を使用しています。
本来コーヒー豆は標高が高ければ高いほどおいしくできると言われています。その理由は、標高が高いほど植物の育成に時間がかかるため、豆が通常のものより更に熟成されるのだそうです。
もちろんこだわるのは標高だけではありません。植物の種蒔き以前にも環境に留意し土のコンディションを整えることから既にコーヒー作りが始まっているのです。 そして混じりっけなしの純正豆を手積みで収穫。
コーヒー豆をオーストラリアに輸入し、シドニーでロースト・マスターの手によって味わい深いローストに仕上げます。現在ドン・アダンでは3種のブランド(ドン・アダン・ブレンド、エキゾティック・サンドライド、マーカラ)を製造。それぞれに賞受賞歴を誇る実力派の味わいです。
そうやって豆の成長からお客さんのカップに入るまで多くのプロフェッショナル・ファミリーの手を伝って長い時間と労力、愛情を注いだ結果ようやく1杯のコーヒーとなるのです。
ここまでこだわったコーヒーが美味しくないワケがありません。さっそくラテを一口。しっかりとした深さが口と鼻からふわ〜んと広がってきますが、その後サラリーッと渋みを残すことなく喉の奥に消えて行きます。これだけ手間ひま掛けて作ったコーヒーが1杯A$3.00なんて安過ぎるんじゃないの?経営大丈夫??とついつい心配になってしまいます。
さて、その他にもいくつかメニューをご紹介
ラテやカプチーノなど、コーヒーはA$3.00〜。50セントの追加料金でヘーゼルナッツやアイリッシュクリームなどのフレーバーの追加もできます。
写真の右側はホット・アップル・サイダー。カフェインフリーでほんのりとシナモンが香り身体の芯から温まります。冬の人気商品だそうですが、アイスもオーダー可能だそうです。
お店の片隅にはギターが置いてあって毎週末の午後3時から演奏が入るそうです。壁にその週に演奏するアーティストの名前と連絡先がはってあります。それ以外の時間でも時々常連さんが弾いていくことがありそうな雰囲気。
お店の近くにはリタイアメント・アパートと呼ばれているご隠居さん向けの住宅施設もあるためか、お散歩コースの中にこのお店が組み込まれている老夫婦やコーヒー片手にレポートに立ち向かう学生さん。ナビのように日向の席でただひたすらボーッとアロマの香りに包まれるだけの人まで皆さまざまな時間の過ごし方を楽しんでいます。今日のBGMはビートルズ。これ以上ないほどお店の雰囲気と混ざり、“映画の中のカフェのシーン”そのもの。リラックスしながら自分もこのお店の世界の住民になった気分。
用事のついでに立ち寄って、エスプレッソをクイッと飲んで直ぐに立ち去るも良し、本を片手に長時間過ごすも良しとそれぞれの時間をコーヒーと共に演出してみてくださいね。以上、シドニーナビでした。